AWSを利用してシステムを構築・運用している多くの企業にとって、サービスの終了や仕様変更は避けて通れない重要な課題です。ある日突然、利用中のサービスが使えなくなる事態を防ぐためには、AWSからの公式発表を常に把握し、計画的に対策を講じる必要があります。
この記事では、AWSのサービス終了に関する最新情報の確認方法から、実際にサービスが終了する際に企業が取るべき具体的な対策までを分かりやすく解説します。自社システムへの影響を最小限に抑え、スムーズな移行を実現するための参考にしてください。
この記事のポイント
- AWSのサービス終了・変更情報は「AWS Lifecycle Changes」など公式情報源を定期的に確認することが基本となる
- サービスのステータスはMaintenance/Sunset/Full Shutdownの3段階に分類され、対応の緊急度が異なる
- Amazon Linux 2やAWS WAF Classicなど影響の大きいサービスは、移行先の把握と早めの対応が求められる
- 対応は影響範囲の特定、代替サービスの選定・移行計画の策定、テストを経た本番移行という3ステップで進める
- AWS Trusted Advisorの活用やパートナー企業への相談も、情報収集とリスク低減の有効な手段となる

目次
AWSのサービス終了・変更に関する公式発表

AWSでは、サービスのライフサイクルに関する重要な情報を公式サイトで提供しています。ここでは、サービス終了や変更に関する情報をいち早くキャッチするための2つの主要な情報源を紹介します。
AWS Lifecycle Changesページで最新情報を確認
AWSは、各サービスのライフサイクルに関する情報を集約した「AWS Lifecycle Changes」ページを公開しています。このページでは、どのサービスがいつ、どのようなステータスになるのかが一覧で確認できるため、AWSユーザーはブックマークしておくのがおすすめです。
このページを確認することで、サービス移行の計画を効率的に立てることが可能になります。管理上の手間を減らし、本来のビジネス目標に集中するためにも、定期的なチェックを心がけましょう。
| 情報源 | 内容 | 確認頻度の目安 |
|---|---|---|
| AWS Lifecycle Changesページ | 各サービスのサポート終了日、関連ドキュメントなどが集約されている | 月に1回 |
| AWS の最新情報ページ | 新機能リリースに加え、サービス可用性に関するアップデートも発表される | 週に1回 |
「AWS の最新情報」ページもチェック
AWS Lifecycle Changesページと合わせて、「AWS の最新情報」ページも定期的に確認することをおすすめします。こちらは、新サービスの発表や既存サービスのアップデート情報が中心ですが、サービス可用性の変更に関するアナウンスも投稿されます。
RSSフィードやメールマガジンに登録しておくと、重要な情報を見逃すリスクを減らせるでしょう。
サービス終了に関する3つの主要カテゴリとは?

AWS Lifecycle Changesページでは、サービスの可用性に関する変更が主に3つのカテゴリに分類されています。それぞれの意味を正しく理解し、自社システムへの影響度を判断することが重要です。
Maintenance
このカテゴリに分類されたサービスは、特定の日時以降、新規のユーザーは利用を開始できなくなります。しかし、すでにそのサービスを利用している既存のユーザーは、引き続き利用を継続できます。
既存ユーザーはすぐに影響を受けるわけではありませんが、将来的なサービス終了の可能性も視野に入れ、代替サービスの情報を集め始めると良いでしょう。
Sunset
終了予定日が設定されているサービスです。この段階ではまだサービスを利用できますが、設定された終了予定日以降は、運用とサポートが終了します。多くの場合、発表から終了予定日までは12ヶ月程度のタイムラインが設けられます。セキュリティリスクを避けるためにも、計画的な移行が不可欠です。システムの安全性を維持するためには、常に最新のセキュリティ情報を把握しておくことが大切です。
関連記事:AWS環境に必要なセキュリティ対策とは?考え方から具体的なサービスまで
Full Shutdown
設定されたサポート終了日を迎え、サービスへのアクセスが完全にできなくなった状態です。
この段階に至る前に、データのバックアップや代替サービスへの移行をすべて完了させておく必要があります。万が一、対応が遅れてしまうと、ビジネスに深刻な影響を及ぼす可能性があるため、十分な注意が必要です。
【2026年版】最新のサービス可用性アップデート情報

ここでは、2026年9月11日時点で確認できた最新のサービス可用性アップデートの一部を紹介します。詳細や他のサービスについては、必ず公式サイトをご確認ください。
Maintenanceのサービス
2026年7月30日以降、新規のお客様は利用できなくなっていますが、既存のお客様は引き続き利用可能です。
| サービス名 | 備考 |
|---|---|
| Amazon Bedrock Agents(2023年11月リリース) | Amazon Bedrock Agents Classicに名称変更 |
| Amazon Cognito Sync | – |
| Amazon Kendra | – |
| Amazon Q Business | – |
| AWS Directory Service – Simple AD | – |
| AWS IoT Device Defender – Detect | 2026年8月31日以降、新規のお客様の利用不可 |
| AWS Mainframe Modernization – Self-Managed Experience | – |
| AWS Management Console – myApplications | – |
| AWS Resource Groups – Group Lifecycle Events | – |
| AWS Service Catalog – Application Registry | – |
| AWS Systems Manager – Application Manager | – |
Sunsetのサービス
終了予定日が設定されているサービスです。この段階ではまだサービスを利用できますが、設定された終了予定日以降は、運用とサポートが終了します。多くの場合、発表から終了予定日までは12ヶ月程度のタイムラインが設けられます。
| サービス名 | 終了予定日 |
|---|---|
| Amazon SageMaker AI – Mechanical Turk | 2026年9月30日 |
| AWS AppMesh | 2026年9月30日 |
| Amazon FinSpace | 2026年10月7日 |
| Amazon Fraud Detector | 2026年10月7日 |
| AWS IoT Greengrass V1 | 2026年10月7日 |
| Amazon Lookout for Equipment | 2026年10月7日 |
| AWS Proton | 2026年10月7日 |
| AWS WAF Classic | 2026年10月7日 |
| Amazon Pinpoint | 2026年10月30日 |
| Amazon WorkMail | 2027年3月31日 |
| Amazon RDS Custom for Oracle | 2027年3月31日 |
| AWS Service Management Connector | 2027年3月31日 |
| Amazon WorkSpaces – Thin Client | 2027年3月31日 |
| Amazon Q Developer IDE plugins | 2027年4月30日 |
| AWS Managed Services (AMS) Advanced | 2027年6月30日 |
| AWS re:Post Private | 2027年6月30日 |
| Amazon SageMaker AI – Profiler | 2027年6月30日 |
| Amazon WorkSpaces – PCoIP | 2027年6月30日 |
| Amazon WorkSpaces – Pool | 2027年6月30日 |
| AWS Direct Connect (Shenzhen Region) | 2027年6月30日 |
| Amazon Simple Notification Service – Email Subscriptions (China Regions) | 2027年6月30日 |
Full Shutdownのサービス
2026年6月30日をもってサポートが終了し、利用できなくなったサービスです。
| サービス名 |
|---|
| Amazon Chime SDK – Carrier Voice Focus |
| Amazon SageMaker AI – Ground Truth Plus |
これらの情報はあくまで一例です。自社で利用しているサービスが含まれていないか、必ず「AWS Lifecycle Changes」ページで最新の公式情報をご確認ください。
特に影響の大きい主要サービスと推奨される移行先

影響大!Amazon Linux 2のサポート終了
AWS環境で広く利用されている「Amazon Linux 2」は、2026年6月30日にサポート終了を迎えました。該当する環境をお持ちの場合は、すでに移行対応が必要な状態です。
後継は「Amazon Linux 2023」となりますが、詳しい移行手順については「Amazon Linux 2 サポート期限」の記事もあわせてご確認ください。
関連記事:Amazon Linux 2のサポート期限が迫る!影響と移行先、スムーズな移行方法を解説
AWS WAF Classicの廃止
Webアプリケーションのセキュリティ対策として利用されてきた「AWS WAF Classic」の廃止に伴い、「AWS WAFv2」への移行が推奨されています。
AWS WAFv2では、ルール管理の進化やAPIの更新など、運用性とセキュリティレベルが向上します。移行の際、場合によってはルールの再設定などが必要になるため、余裕を持ったスケジュールで対応しましょう。
AWSサービス終了で企業が取るべき3つの対策

利用中のサービスが終了対象となった場合、以下の3つのステップで対策を進めることが重要です。
影響範囲の特定と現状把握
まずは、終了対象のサービスを自社のどのシステムで、どのように利用しているかを正確に把握します。
- 対象システムの洗い出し:どのアプリケーションやインフラが依存しているか
- 利用状況の確認:APIのコール数、データ量、依存している機能など
- ビジネスインパクトの評価:サービスが停止した場合のビジネスへの影響度
これらの情報を整理することで、移行の優先順位付けや関係者との合意形成がスムーズになります。
代替サービスの選定と移行計画の策定
次に、AWSが推奨する移行パスや、その他の代替サービスを検討し、最適なものを選択します。
- 代替サービスの調査:AWS公式ドキュメントや技術ブログを参考に、機能、コスト、可用性などを比較検討します。クラウドサービスの安定稼働には高い可用性が求められます。サービスの選定時には「AWS 可用性」についても考慮すると良いでしょう。
- 移行方式の決定:データ移行の方法、アプリケーションの改修要否、ダウンタイムの有無などを検討します。
- 詳細な計画の作成:具体的な作業手順、スケジュール、担当者、テスト計画などを盛り込んだ移行計画書を作成します。
関連記事:AWSにおける可用性とは?設計の基本や高可用性を実現する方法を解説
計画に基づいた移行作業とテストの実施
策定した計画に基づき、慎重に移行作業を進めます。
- 開発・ステージング環境での事前検証:本番環境に適用する前に、テスト環境で十分な検証を行い、問題点を洗い出します。
- 本番移行の実施:事前に定めた手順に従い、本番環境への移行作業を実施します。必要に応じて、サービスの切り替えは深夜や休日など、ビジネスインパクトの少ない時間帯に行います。
- 移行後の動作確認とモニタリング:移行後、システムが正常に動作しているかを入念に確認し、しばらくの間はパフォーマンスなどを注意深くモニタリングします。
サービス終了に備えるための情報収集のコツ

予期せぬサービス終了のリスクに備えるためには、日頃からの情報収集が欠かせません。
定期的な公式サイトのチェックを習慣化する
最も確実な方法は、これまで紹介してきた「AWS Lifecycle Changes」ページや「AWS の最新情報」ページを定期的にチェックすることです。月に一度、チームの定例会などで確認するルールを設けるのも良いでしょう。
AWS Trusted Advisorを活用する
AWS Trusted Advisorは、AWS環境をベストプラクティスに照らしてチェックし、コスト最適化、パフォーマンス、セキュリティ、耐障害性に関する推奨事項を提示してくれるサービスです。中には、サポートが終了するソフトウェアバージョンなどを指摘してくれる項目もあり、リスクの早期発見に役立ちます。
パートナー企業に相談する
自社だけでの情報収集や移行計画の策定に不安がある場合は、AWSのパートナー企業に相談するのも有効な手段です。多くの移行実績を持つ専門家の知見を活用することで、より安全で効率的な移行を実現できます。
まとめ
AWSのサービス終了は、すべての利用者にとって重要な課題です。しかし、事前に公式情報を正しく把握し、計画的に対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。
本記事で紹介した「AWS Lifecycle Changes」ページなどを定期的に確認し、自社システムへの影響を常に監視する体制を整えましょう。そして、サービス終了のアナウンスがあった際には、慌てずに影響範囲の特定、代替サービスの選定、移行計画の策定というステップで着実に対応を進めてください。
ハートビーツでは、24時間365日のサーバー監視・運用に加え、クラウド移行・導入支援やSRE / アドバイザリーサービスなど、AWS環境の移行に関わる幅広いサポートを提供しています。サービス終了に伴う移行でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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