2025年6月、幕張メッセで開催されたAWS Summit Japan 2025にて、当社ハートビーツの佐野裕が「インフラ運用20年の会社が考える、インフラ運用とAIのこれから」と題したセッションに登壇しました。
生成AIを活用した実際の取り組みや、運用現場での課題解決のアプローチを紹介しました。
登壇者紹介|佐野裕(ハートビーツ)

佐野裕
株式会社ハートビーツ
CISO、技術戦略室
社内の様々な技術系プロジェクトを推進し、
近年は社内での生成AIの利用を促進している。
代表著書『インフラエンジニアの教科書』等。
インフラ運用でのAIによる解決アプローチ
ハートビーツでは現在、約8,000台のサーバーを運用しており、年間で約830万件のアラートを処理しています。
佐野のセッションでは、ハートビーツのインフラ運用において、すでに社内で導入・実用化している生成AIベースのソリューションを紹介しました。
① インフラ運用レポートの自動生成
運用担当メンバーによる月次対応履歴を元に、多かったアラート、珍しいが重大なアラート、先月と比べた傾向の変化、および改善案が記されたレポートが自動生成されるようにしている。有用なインフラ改善レポートが出力されており、インフラ改善とアラート発生数抑制に効果が発揮されている。
図1:インフラ運用レポートの出力結果

図2:システム構成図

②インフラ稼働状況をAIに対話で確認
監視システムと生成AIをMCPサーバを介してつなぐことで、生成AIに現在アラートが発生しているサーバを聞いたり、監視状況を表にしてもらったり等、AIと対話しながらインフラ稼働状況を確認できるようにしている。欲しい情報を欲しい形で出力できるため、活用度が高い。
図3:監視システムで現在アラートが発生しているサーバ一覧を作成

図4:HOSTGROUP1の監視状況を表形式でまとめる

図5:システム構成図

③AWS運用レポートの自動生成
生成AIによってAWSのリソース使用状況とAWSのベストプラクティスとを比較することで、コストの最適ポイントやセキュリティリスクを提示するレポートを自動生成されるようにしている。
図6:AWS運用レポート

図7:システム構成図

社内での生成AI活用推進体制「HB-TECH-WG:AI」
ハートビーツ社内では月単位でテーマを設定し、新しいアイデア創出〜メンバー公募〜研究〜アウトプットまでを1サイクルで回す研究体制を整備している。若手メンバーが主体的に関与しながらアウトプットを量産し、専門家人材の育成にもつながる仕組みになっている。
図8:HB-TECH-WG:AI

まとめ:生成AIとともに進化するインフラ運用
ハートビーツはこれからも、生成AIと共に進化し続ける運用体制を構築し、「高品質・適正価格なサービス」を継続的に提供し、今後もインフラ運用の未来に向けた取り組みを加速させていきます。
またAIを活用した業務効率化・システム開発についても、ご相談可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。