ナインシグマ・ホールディングス株式会社様
柔軟性と確実性で支えるAWS運用- ナインシグマ様の負担軽減事例
- 課題
- ・監視や障害検知・一次対応に関して、明確な運用体制やルールが整っていなかった
・サービス内容が充実する中で、24時間365日体制で運用・対応できる体制を確保する必要があった - 結果
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AWSの豊富な知見と実績を生かしたサポートを実施。運用体制の標準化が進み、監視と対応のばらつきが減少した。さらに、障害発生時の初動対応も迅速化された。
提供サービス
ここに注目!
障害対応におけるサービスレベルや判断基準が曖昧。24時間365日体制で運用・対応できる体制の確保が急務に
- これまで、技術課題の解決や協業先探索の支援等をおこなってきており、 2025年4月には、AIを活用した技術・商材の事業化支援サービス「AKCELI(アクセリ)」を正式リリース。顧客の事業発展につながる戦略企画の立案・協業など、幅広い事業を展開しているナインシグマ・ホールディングス株式会社様(以下、ナインシグマ様)
顧客の課題に真摯に向き合い、抱えているニーズを明確にしたり、オープン・イノベーションによって新しいビジネスモデルを構築したりなど、競争力アップに大きく貢献しています。
同社は障害対応の属人化が課題で、明確な運用体制やルールが整っていませんでした。サービス内容が充実する中で、24時間365日運用・対応できる体制を確保する必要がありました。今回は、ナインシグマ様にハートビーツのサービスを選ばれた背景や決め手、実際にご利用いただいているご感想などを伺いました。 - 現在、ご担当の業務や、貴社での役割をお聞かせください。
- ナインシグマ様:私はシステム開発部で情報システム担当マネージャーを務めています。インフラの運用保守、情報セキュリティ対策、DX推進、海外子会社のIT支援など、情報システム全般を幅広く担当しています。DX推進の一環として、生成AI導入による業務効率化の調査・検討も進めています。
現在のチーム体制は、業務委託でプロダクト開発を担うメンバーを含め、10名ほどです。 - 当社のサービスをご利用いただく前は、どのようなお悩みや課題をお持ちでしたか。
- ナインシグマ様:元々はコンサル事業が主でしたが、Webサービス事業も展開し、サービス内容も充実する中で、インフラを含めた24時間365日対応の運用保守が必要になってきました。これまでは開発部門や情シス部門のメンバーが、業務時間内に可能な範囲で対応する形で何とか回していました。しかし、サービスの品質を高めるためには、体制を整える必要がありました。
これまで最低限の監視は実施していたものの、属人的な対応に頼らざるを得ず、対応品質や判断基準も曖昧で、運用体制としては非常に脆弱な状態でした。サイト運用の要求レベルが上がる中で、トラブルが発生した際に迅速に対応するために、24時間365日体制で運用・対応できる体制の確保が求められるようになったのです。 - 提供されているWEBサービスの概要を教えていただけますか?
- ナインシグマ様:当社では、顧客の研究開発部門が抱える課題解決や事業化支援を、弊社独自のオンラインプラットフォームを活用し行っています。弊社の新サービスとして、2025年4月に、AIを活用して研究開発部門の事業化を支援するサービス「AKCELI」をリリースしました。研究内容をAIで分析し、事業化の方向性を提案できるため、情報の機密性や安全性を確保しながら、サービスの品質向上が不可欠でした。
現在、これらのオンラインプラットフォームは体制強化や統合を進めており、ハートビーツさんにはその運用保守を段階的にご支援いただいています。
AWSの豊富な知見と実績、当社の利用環境をよく理解していたことが大きな決め手
- <ナインシグマ様のインフラ構成の概要>
ナインシグマ様ではクラウドネイティブな環境を前提としており、インフラ基盤はAWSが約90%、 GCPとAzureがそれぞれ5%程度を占めています。主にAWSで構成し、GCPやAzureはAIや翻訳など特定用途でAPI連携して活用しています。AWSは、以下サービスを利用されています。
EC2 / LightSail / ECS:アプリケーションやサービスのホスティング
RDS / S3:データベースおよびデータストレージ
ALB / CloudFront:トラフィック分散およびコンテンツ配信
CloudWatch / WAF:監視とセキュリティ対策
ナインシグマ様:インフラの設計・構築は当社で行い、その後の運用設計・計画や日々の運用保守はハートビーツさんにお任せしています。構築後はほぼ手離れできており、当社の環境を踏まえて監視対象を相談・提案していただけるので非常に助かっています。 - システム要件として、特に重視されている点や設計上考慮された点を教えていただけますか?
- ナインシグマ様:主に以下の3点を重視しており、ハートビーツさんの協力のもと、監視運用の自動化、障害対応の迅速化・標準化を実現しています。
1.運用の自動化と監視体制の強化
CloudWatchによるリソース監視と通知の自動化、および一次対応の自動実行を重視しています。
2.障害対応の迅速化
事前定義された対応方針と連携体制により、判断・対応を属人化させない体制を整備しています。
3.リソースの統一管理と可視化
各システムで同水準の監視・運用が行えるように標準化を図っています。
加えて、当社のサービスではお客様の機密情報を取り扱うため、WAFやIAMによるアクセス制御などセキュリティ対策も重視しています。AKCELIは、将来的な利用者増加を見据え、ECSなどを活用したスケーラブルな構成を採用しています。
- ハートビーツを選ばれた背景や決め手を教えていただけますか?
- ナインシグマ様:ハートビーツさんはAWSに関する豊富な知見と実績があり、当社の利用環境をよく理解していたことが大きな決め手でした。私自身も長年システム運用業務に携わってきましたが、担当者とお話しした際や提示されたドキュメントを見ても、勘所の良さが伝わってきました。
また、上司からの推薦や、過去に依頼した際の柔軟な対応実績もあり、信頼性・対応力の面でも安心感がありました。中でも、運用設計や手順書関連ドキュメントの質の高さは特に評価しています。
設計資料や提案資料も丁寧にわかりやすく作成。ヒアリングの丁寧さも魅力
- ハートビーツからの提案で「助かった」と感じたものや、印象に残っているものがありましたら教えていただけますか?
- ナインシグマ様:各システムでの運用監視レベルをそろえるための構成整理や、対応フローの明文化、監視項目の見直しなどを手厚く提案・実行していただいた点が印象に残っています。設計資料や提案資料なども丁寧に作成してくれて非常に助かりましたし、安心感につながりましたね。
実は過去に他社のマネージドサービスを利用した際、運用移管時に課題が多かったんです。
ハートビーツさんのヒアリングの丁寧さや、ドキュメント整理の精度を見て「このベンダーなら任せられる」と確信できました。特に複雑な構成を持つ複数システムを並行で整理してもらえた点は印象的でした。 - 導入後、どのような効果をご実感いただいていますか?
- ナインシグマ様:運用体制の標準化が進み、監視や対応のばらつきが減少しました。障害発生時の初動対応も迅速になり、社内全体に運用面での安心感が広がっています。開発部門のメンバーは本来の開発業務に集中できるようになり、より戦略的な業務にもリソースを割けるようになりました。私自身もシステム全体の戦略立案や生成AI活用などに注力でき、業務に寄り添った形でリソースを確保できています。
障害が発生した際には、原因究明や調査のミーティングにご参加いただき、今後同様の事象が発生した場合の検知方法や一次対応のルール化など、運用改善につながる提案を積極的にいただきました。これまで開発メンバーが対応せざるを得なかった対応をハートビーツさんに任せられるようになり、運用体制の強化につながっています。
- 外注先を決めるプロセスの中で、重要視されていることをお伺いできますか?
- ナインシグマ様:技術力や対応スピードはもちろんですが、最終的に重視するのは「信頼できるパートナーかどうか」です。こちらの状況や要望を正しく理解し、柔軟に対応してくれるか、安心して任せられるかが最も重要だと考えています。
ハートビーツさんはコミュニケーション能力が高く、打ち合わせで決まった事項の整理や、役割分担が曖昧で放置されがちなタスクのリマインドなど、きめ細かな対応をしてくれるため、快適に仕事を進められています。
私自身、これまで大小さまざまなMSPサービスを利用してきました。大規模な企業は手続きに時間がかかり柔軟性に欠けるケースもあり、一方でフリーランスやスタートアップでは対応品質にばらつきがあったり、過剰対応によってかえって問題を招いたりしたこともありました。その点、ハートビーツさんは柔軟性と確実性のバランスが良く、必ず作業前に確認を行うなど、安心感があります。
インフラ運用の最適化だけでなく、運用・保守のレベルをより一層上げるためのサポートも期待
- 貴社の今後めざす姿や組織づくりをお聞かせください。また、そこで必要となるハートビーツへのご要望がございましたら教えてください。
- ナインシグマ様:今後は、情報システム部門を「守りのIT」から「攻めのIT」へと進化させ、全社的なDXの中核を担う存在へとシフトしたいと考えています。そのためにも、属人的・手作業ベースの運用を脱し、さらに自動化・標準化された安定基盤の上で、より戦略的な業務にリソースを集中できる体制をめざしています。
また、海外子会社の支援などグローバル展開への対応も求められており、可視性・一貫性のある運用がより重要になると考えています。
また、AKCELIに関しては、これからさらに伸ばしたいと考えています。ハートビーツさんにはインフラ運用の最適化だけでなく、運用・保守のレベルをより一層高めるためにも、継続的なパートナーシップの中でせひご協力いただけたらと考えています。
※所属組織、業務内容、写真など、インタビュー内容は取材当時のものです。
2025年8月
企業プロフィール
| 企業名 | ナインシグマ・ホールディングス株式会社 |
|---|---|
| 創業 | 2017年8月8日 |
| 事業内容 | 外部の知見や外部技術を活用したオープン・イノベーションを通じて、 技術を事業発展に結びつけるための戦略立案や協業 |