MSSPとMSPの違いとは?役割・メリット・選び方をわかりやすく解説 | 株式会社ハートビーツ|AWS・クラウド・サーバーなどのインフラ運用を24時間365日サポート

MSSPとMSPの違いとは?役割・メリット・選び方をわかりやすく解説

セキュリティ基礎知識

セキュリティ運用を外部委託する前に知っておきたい比較ポイント

MSSP(マネージド・セキュリティ・サービス・プロバイダー)は、セキュリティ監視や攻撃検知、インシデント発生時の分析・初動対応支援など、セキュリティ運用を専門的に提供する事業者です。

クラウド利用の拡大やサイバー攻撃の高度化により、24時間365日の監視体制や迅速な対応が求められていますが、これらを自社だけで実現することは困難な企業も少なくありません。MSSPは、自社で賄いきれないセキュリティ対応のリソースや専門性を補完する役割を担います。IT運用全般をカバーするMSPとは異なり、セキュリティ領域に特化している点が特徴です。

本記事では、MSSPの基本的な役割やMSPとの違いを整理し、導入時の比較基準について解説します。

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1. MSSP(マネージド・セキュリティ・サービス・プロバイダー)とは

MSSPとは、企業や組織に対し、セキュリティ対策の運用・監視・対応を専門的に提供する事業者です。主な役割は、大きく「オペレーション支援」と「予防支援」の2つの観点に分類されます

オペレーション支援では、日常的なセキュリティ運用や監視を通じてサイバー攻撃や不正アクセスを早期に検知し、被害の拡大を防ぎます。単なるツール提供ではなく、検知結果の分析やアラート対応、初動対応の判断支援など、継続的なセキュリティ運用を支援する役割です。

また、MSSPはオンプレミス環境に加え、クラウド環境を対象としたセキュリティ監視にも対応しています。近年では、EDRをはじめとする各種セキュリティサービスについて、導入支援から監視・運用までを一貫して請け負う事業者も増えている状況です。

一方の予防支援では、攻撃を受ける前にリスクを最小化するための仕組みづくりや改善活動をサポートします。脆弱性の把握やセキュリティ対策の強化を継続的に行い、インシデント発生の可能性そのものを低減させることが目的です。

具体的な支援内容は事業者や契約によって異なりますが、脆弱性診断やセキュリティアセスメント、設定レビューなどを通じて組織のセキュリティレベルを可視化し、改善すべきポイントを明確にします。加えて、教育やコンサルティングを通じて、企業全体のセキュリティ強化を支援するケースもあります。

このようにMSSPは、単に「セキュリティを導入する」だけでなく「セキュリティを継続的に守り続ける」ための運用を支えるサービスです。

MSSPの概要

MSSPが重要な理由

MSSPが重要視される背景には、セキュリティ運用の高度化・複雑化があります。

サイバー攻撃は年々巧妙化しており、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを導入するだけでは、十分な防御を維持することが難しくなりました。現在はゼロトラストの考え方を取り入れ、複数のセキュリティサービスを組み合わせた運用が一般的となりつつあります。さらに、クラウド利用の拡大に伴い、セキュリティの対象範囲はID管理や設定ミス、API、ワークロードなど多岐に及んでいます。

こうした事情から、最新のセキュリティ対策を自社のみで継続的に行うことは、現実的ではありません。その解決策として専門性を備えたMSSPを活用し、セキュリティ運用の支援を受ける企業が増えています。

MSSPとMSPの違い

MSSPと名称が似ているサービスに、MSP(マネージド・サービス・プロバイダー)があります。両者は目的や専門領域が異なり、MSPが「止めない運用」を担う存在である一方、MSSPは「攻撃を早期に検知し、被害拡大を防ぐための運用」を担う存在と位置づけられます

MSPは、サーバーやネットワーク、クラウド環境といったITインフラ全般の運用・保守を専門領域とする事業者です。システムの安定稼働や運用負荷の軽減を目的に、障害対応やバックアップ、パッチ適用などを提供します。対してMSSPはセキュリティに特化しており、攻撃の検知・分析や、インシデント発生時の初動対応支援などが可能です。

MSPの提供範囲だけでは、高度なセキュリティ監視やインシデント対応が不十分となるケースも少なくありません。そのため、MSPとMSSPを組み合わせて利用することで、互いの役割を効果的に補完できます。
関連記事:MSP(マネージドサービスプロバイダ)とは?サービス内容や選定ポイント

MSSPとMSPの違い

MSPが担う運用のなかでも、「異常な振る舞いの検知」「攻撃か否かの判断」「初動対応の優先度付け」は、対象外となるケースが多くあります。これらを求める場合、MSSPの役割が必要になります。

2. MSSPが提供する主なサービス

MSSPが提供する主なサービスは以下のとおりです。なお、提供範囲や対応レベルは事業者や契約内容によって異なります。

セキュリティ監視・ログ分析

MSSPの代表的なサービスが、オペレーション支援によるセキュリティ監視およびログ分析です。

多くのMSSPでは、ネットワーク機器、サーバー、クラウドサービスなどを、24時間365日の体制で監視し、複数のログを統合的に収集・分析することで、異常な挙動や攻撃の兆候を検知します。精度の高い検知を実現するため、MSSPは多くの場合、SIEM(Security Information and Event Management)と連携し、ログの一元管理や相関分析を行います

一般的な運用の流れは以下のとおりです。

  1. 膨大なアラートをSIEMに集約
  2. 一次分析として、不要なアラートの除外や誤検知の判定を行い、対応が必要なものを抽出
  3. 二次分析として、攻撃の意図や影響範囲を評価し、対応すべきインシデントかどうかを判断

これらの分析をMSSPが担うことで、社内担当者は大量のアラート対応に追われず、重要な判断や意思決定に集中しやすくなります。

インシデント対応支援

MSSPはオペレーション支援の一環として、インシデント発生時の対応支援も担います。

対応支援の例は、不正アクセスやマルウェア感染の兆候を検知した際の、影響範囲の特定や被害拡大を防ぐための初動判断、対応方針の検討支援などです。具体的には、以下のような対応に関する助言や、実行に向けた支援、提案を行います。

  • 通信遮断の判断
  • 被疑アカウントの一時停止や隔離に関する対応方針の整理
  • インシデントの原因分析
  • サイバー攻撃手法の分析

自社でインシデント対応の経験が十分でない場合、初動の遅れや判断ミスが被害の深刻化を招きかねません。MSSPの支援を受けることで、こうしたリスクを抑えられます。

脆弱性管理・セキュリティ運用支援

MSSPは予防支援として、中長期的な視点での脆弱性管理を提供するケースがあります。

具体的な提供内容は、定期的な脆弱性スキャンを実施し、クラウド環境を含むインフラ設定の問題点を洗い出す取り組みです。スキャン結果はレポートとしてまとめられ、リスクの高い項目や優先順位、影響度を踏まえた改善案が提示されます。

また、ログ傾向やインシデント発生状況に基づいた運用改善の提案や、セキュリティポリシーの見直し支援を行う場合もあります。こうした多角的な取り組みにより、単発の対策で終わらせず、セキュリティレベルを継続的に高めていく運用が可能です。

3. MSSPを利用するメリット

MSSPを利用することで、セキュリティ運用におけるさまざまな課題を外部の専門リソースで補完できます。代表的なメリットは以下のとおりです。

セキュリティレベルの平準化・高度化

MSSPにより、セキュリティ担当者のスキル差によるばらつきを抑え、一定水準以上のセキュリティ運用の継続が可能になります。セキュリティ対策は、担当者個人の知識や経験に依存しやすく、運用品質が属人化しがちです。

MSSPは複数の顧客環境を支援するなかで、多様な攻撃事例や対応ノウハウ、最新の脅威動向に関する知見を蓄積しています。これらの知見を活かすことで、自社のみでは把握しきれない最新の攻撃手法やリスクを踏まえた対応が実現し、セキュリティレベルの高度化を図れます。

コストの最適化

自社で24時間365日のセキュリティ監視体制を構築する場合、専門人材の採用・教育、シフト体制の維持、監視ツールの導入・運用など、多くのコストと工数が発生します。これらの維持は、企業にとって大きな負担です。

MSSPを利用すれば、人件費や運用コストをサービス利用料として平準化できるため、初期投資や固定費を抑えつつ高度なセキュリティ運用を実現しやすくなります。自社の体制や求める対応範囲次第で、結果的にコストの最適化につなげることが可能です。

人材不足への対応

セキュリティ分野では慢性的な人材不足が続いており、専門人材の採用は年々難しくなっています。仮に人材を確保できたとしても、組織全体のセキュリティレベルを底上げし続けることは容易ではありません。

高度な知識と実務経験を備えたMSSPの専門チームと連携すれば、人材不足を補いながら安定したセキュリティ運用の継続が可能です

社内の担当者は、本来注力すべき業務や、セキュリティ方針の策定・企画といった戦略的な役割に専念できます。MSSPは単なる外注先ではなく、セキュリティ体制を支えるパートナーとしての位置づけです。

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4. MSSPを選ぶ際のポイント

MSSPを選定する際は、料金だけでなく、提供内容や対応体制を含めた複数の視点から比較・検討することが求められます。主な比較ポイントは以下のとおりです。

監視対象・対応範囲

MSSP事業者ごとに監視対象や対応範囲は大きく異なるため、事前の詳細な確認が欠かせません。

例えば、ネットワークやサーバーのみを対象とするMSSPもあれば、エンドポイント、クラウド環境、ID、SaaSまで含めて監視できるMSSPも存在します。また、ログの監視・検知をメインとするのか、インシデント発生時の初動対応や封じ込め作業の実行支援まで踏み込むのかといった対応範囲も、重要な選定基準となるでしょう。

自社のシステム構成やセキュリティ課題を整理し、必要な範囲を十分にカバーできるかを見極めることが、MSSP選びの重要なポイントです

対応スピード

MSSPの対応スピードは、サービス品質を判断する際の重要な指標です。

インシデント対応においては、検知から初動対応までの時間が短いほど、被害の拡大を抑えやすくなります。そのため、対応スピードに関する取り決めを確認することが欠かせません。具体的には、アラート検知から通知までの目安時間、一次分析やエスカレーションに要する時間、夜間・休日を含めた対応体制などが主な確認ポイントとして挙げられます。

24時間365日体制かどうかだけでなく「どの範囲までを、どの時間内に対応するのか」を確認することが重要です。

対応実績・業界知見

候補となるMSSPがどのような業界や規模の企業を支援してきたのか、どのようなインシデント対応の実績を持っているのかも重要な判断材料です。業界によっては、特有のシステム構成や法規制、攻撃傾向が存在します。

例として、金融業界では不正送金を目的とするマルウェア感染が攻撃傾向として挙げられます。自社と同じ業界での対応経験を持つMSSPであれば、より実情に即した支援が期待できるでしょう。

導入実績の数だけでなく、どのような課題に対して、どのような支援や対応を行ってきたのか、プロセスまで確認することが望ましいです。

レポーティング内容

MSSPが提供するレポート内容も、サービスの選定時に確認しておきたい重要なポイントです。

アラート件数や検知内容の一覧だけでなく、その背景や傾向、リスク評価、今後の改善提案まで含まれているかを確認しましょう。形式的な報告にとどまらず、分析結果を踏まえた評価や提案を得られれば、次の対策や意思決定につなげやすくなります。

また、定期レポートの提供頻度や情報の粒度が「自社の意思決定に活用できる内容か」を基準に評価しましょう。

まとめ

MSSPは、セキュリティ監視やログ分析など、セキュリティに特化した運用を支援するサービスです。MSSPを活用することで、属人化を防ぎつつ、一定水準以上のセキュリティ運用を継続しやすくなります。

MSSPを選定する際は、監視対象や対応範囲・スピード、業界知見、レポーティング内容など総合的な比較が重要です。どこまでの対応範囲で、どのレベルで支援してもらえるのかを事前に確認することで、高い導入効果が期待できます。

ハートビーツの「SecureOps+」は、AWS環境の各種検知情報をもとに、24時間365日の監視と重要度判定、初動判断を支援するMSSPサービスです。下記のようなお悩みがございましたら、MSSPの導入を検討する価値があります。

  • 夜間・休日のセキュリティ対応が難しい。
  • アラートは出ているが、重要度判断が属人化している。
  • インシデント対応の経験が社内に少ない。

弊社はAWSの「MSSPコンピテンシー」を取得し、AWSセキュリティ運用の技術と実績を備えています。AWS環境のセキュリティ運用に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

また弊社では、MSPとしてインフラの初期構築から運用までを20年以上培ってきた実績がありますインフラ構築・運用でお困りの担当者様は、弊社のMSPサービスについてもご相談ください。

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