フリュー株式会社様
有人監視による電話連絡で初動対応を迅速化。運用負担を大きく軽減し、繁忙期の休日待機も解消
- 課題
- ・Slackのアラート通知後の障害対応フローが曖昧になっており、誰が対応するかが明確ではなく、特定のメンバーに負担が集中していた。
・繁忙期には休日に開発者が待機する必要があり、運用体制の負荷が重くなっていた。
- 結果
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・障害発生時に人が状況を説明して連絡するため、状況把握がしやすく、初動対応のスピードが大きく向上した。
・監視・一次対応を任せられるようになり、休日待機が不要になるなど運用体制が大きく改善した。
提供サービス
ここに注目!
クラウドへの移行後、監視体制の属人化と初動対応の遅れが課題に
- 「人々のこころを豊かで幸せにする良質なエンタテインメントを創出する!」という企業理念を掲げるフリュー株式会社様。プリントシール機事業、キャラクター・マーチャンダイジング事業、ゲーム/アニメ事業などを展開し、エンタテインメント分野で多彩なサービスを提供しています。
同社では、プリントシール機で撮影した画像を取得・閲覧できるサービス「ピクトリンク」を提供しており、プリそのものの体験価値を含め、ユーザーの思い出づくりやコミュニケーションツールとして利用されています。プリントシール機は世代を超えて多くの方に愛されており、さらには平成リバイバル企画や令和時代の新しい楽しみを提案する機種などの展開を通じて、さらに幅広いユーザーの利用が増えているようです。
今回は、同サービスのインフラ運用を支えるSREチームの久島様、粟田様に、ハートビーツのサービスを導入した背景や決め手、導入後に実感されている効果についてお話を伺いました。
- 現在ご担当されている業務についてお聞かせください。
- 久島様:私は粟田の上司にあたり、SREチームを含む複数のチームを統括しています。その中で、SREチームのリーダーは粟田が務めています。
粟田様:SREチームでは、「ピクトリンク」のインフラにおいて、リソースやネットワークの構築・整備、セキュリティの可視化と維持、データベースの運用管理などを担当しています。
また、開発生産性向上への取り組みや、サービスの信頼性の計測・改善も重要な役割です。開発生産性向上の取り組みとしては、例えばRAGを活用したナレッジベースの整備を進め、情報共有の効率化を図っています。
さらに、サービスの信頼性を継続的に改善するため、エラーログなどをもとにSLIやSLOを設定し、その指標と毎月の実績を照らし合わせながら改善活動を進めています。
- 「ピクトリンク」のインフラ構成について教えていただけますでしょうか。
- 粟田様:「ピクトリンク」のインフラは、AWSとOCI(Oracle Cloud Infrastructure)を併用したマルチクラウド構成になっています。当初はオンプレミスで運用していましたが、データセンターの老朽化に伴い、クラウドへの移行を検討することとなり、現在の構成に至りました。この構成に至った背景として、当初からAWSを利用できる環境にあったため、AWSをベースに検討を進めていました。ただ、オンプレミスで稼働していた既存のOracle Database環境をAWSで動かすにあたっては、投資と性能の最適化を図るため、OCIも選択肢に含めて検証を行いました。必要な性能を担保しつつ、投資効果を最大化した結果、現在のAWSとOCIのマルチクラウド構成に至りました。
アプリケーションはECSやLambdaなどを用いて構築しており、ファイルストレージにはAmazon S3やEFSを活用しています。また、「ピクトリンク」のユーザーが利用する写真データなどの大容量データは、主にS3で管理しています。ユーザー情報と大量の写真データとの対応関係を管理するデータベースについては、OCIを活用しています。 - システム要件で特に重視されている点を教えていただけますでしょうか。
- 久島様・粟田様:「ピクトリンク」は10代~20代を中心にご利用いただいているtoC向けのサービスであり、24時間365日稼働しています。そのため、可用性を確保するためのマルチAZ構成や、投資と性能のバランスを考慮したマルチクラウド構成を重視しています。
特にクリスマスやハロウィン、成人式といった時節イベントや、入学式・卒業式などの学校行事の際は、日常の思い出に加え、特別なイベントの記録としてもプリントシール機をご利用いただく方が多くなります。その結果、アクセス数が通常期の約1.5~2倍に急増するため、そうした負荷変動にも対応できるインフラ設計が重要です。このように、通常期と繁忙期でアクセス数の差が大きく、日中と深夜でもアクセス数が大きく異なるため、スケーラビリティの確保は不可欠です。
また、「ピクトリンク」はユーザーの写真データを扱うため、データ保護の観点からセキュリティ対策も徹底しています。WAFを利用して不審な通信を防ぐ入口対策を行うとともに、外部から直接アクセスできないようマルチクラウド間もプライベートネットワーク環境を構築しています。
- ハートビーツのサービスご利用前は、どのような課題があったのでしょうか?
- 久島様:以前は社外のデータセンターを利用し、オンプレミス環境で運用していました。当時は24時間365日体制でオペレーターが監視を行い、障害が発生した場合は電話連絡を受けて対応する体制でした。
その後クラウドへ移行し、データセンターのオペレーターによる電話通知の契約が終了したことで、障害発生時の通知や対応体制に関する課題が生じました。機械音声による電話通知も検討しましたが、一方的な音声通知では内容を把握しづらく、また有人で電話通知してくれるサービスも見つけられませんでした。
そこで、自動復旧の対応範囲が広がったことも踏まえ、Slackへの自動通知を採用したものの、アラート通知後の運用が十分に定まっておらず、障害発生時に誰が対応するのかが不明確でした。そのため初動対応が遅れたり、特定のメンバーに対応が偏って負担が集中したりする状況が続いていました。
一時期は休日の繁忙時間帯に開発者が常駐する体制を取っていましたが、開発者への負担が大きく、外部サービスの活用を検討することになったのです。
- ハートビーツを選んだ決め手を教えていただけますか?
- 久島様:社内の別部署から紹介を受けたのがきっかけです。デジタル領域の事業を展開している部署でハートビーツさんの利用実績があり、その担当者から勧められました。特に、有人監視によって人が電話で連絡してくれる点が大きな決め手となりました。
有人監視による電話連絡で、障害時の状況把握と初動対応を迅速化
- ハートビーツからの提案で、印象に残っているものはありますか?
- 粟田様:印象に残っているのは、監視項目の設定やアラートの閾値の見直しを一緒に進めていただいたことです。ハートビーツさんに実際の監視をお任せするなかで、「アラートが多いので、閾値を見直したほうがよいのではないか」といった提案をいただき、調整を重ねていきました。最終的にはそれらを監視仕様書としてまとめていただいたので、現在の監視内容を社内に共有する際の資料としても活用しています。
- ハートビーツのサービス導入後、どのような効果を実感されていますか?
- 久島様:一番大きいのは、障害発生時の初動対応が早くなったことです。これまでは対応に数時間かかるケースもありましたが、ハートビーツさんにはSLOとして10分以内の対応を目指していただいているため、障害発生から初動対応までの時間が大幅に短縮されました。これにより、サービスとしての信頼性をより強固なものにできました。
また、一次対応で解決できる内容についてはハートビーツさん側で完結していただけるため、現場エンジニアの対応頻度が減り、本来注力するべき新機能開発や改善活動に集中しやすくなりました。
さらに、機械音声ではなく有人監視で電話連絡をいただける点も大きいです。オペレーターの方が機械的な通知では把握しきれない、アラートそのものだけではなく周辺状況も含めたサービスの状況を正確に伝えてくれるため 、迅速な判断と対応につながっています。
粟田様:以前は繁忙期になると、毎週休日の午後にローテーションで待機し、障害発生に備える体制を組む必要がありました。現在はそうした休日待機が不要になり、運用体制が大きく改善されました。
- ハートビーツを利用して良かったと感じるエピソードがあれば教えてください。
- 久島様:ハートビーツさんのサービスを導入して間もないころに、「アプリケーションごとに連絡先を変更してほしい」といったイレギュラーな対応をお願いしたことがありました。そうした細かな要望も丁寧に汲み取ってくださり、快く対応していただいたことには大変感謝しています。
粟田様:昨年の繁忙期に、こちらでオートスケールの設定を調整した際、監視の閾値を上げるよう依頼したことがありました。その際も、Backlogで連絡するとすぐに対応していただけたのでとても助かりました。
運用保守の効率化に向けた提案、継続的な支援に期待
- 外注先を決めるプロセスで、特に重視されていることは何でしょうか?
- 粟田様:コストとサービス品質のバランスです。そのため、最初はリスクを抑える意味もあり、3ヶ月限定という形でハートビーツさんに依頼しました。実際に利用してみて有人対応のメリットを強く感じたため、現在も継続してお願いしています。機械音声による通知だと状況がわかりにくいこともありますが、人が直接状況を説明してくれるため理解しやすく、安心して運用を任せられると感じています。
- 今後のハートビーツに対するご要望がございましたら、ぜひお聞かせください。
- 久島様:現在は監視業務のみを依頼していますが、今後はそれ以外の領域についてもぜひご提案いただきたいです。
平常運用のなかでは、ドメイン管理やアカウント管理など、毎月必ず発生する作業があります。こうした作業の負荷を軽減する方法なども相談できればと思っています。また、バージョンアップ対応やライブラリ管理などの領域についても、サポートが可能であればぜひお力添えをいただきたいです。
ハートビーツさんには監視業務を通じて蓄積された知見が多くあると思うので、それらを活かしながら、運用保守業務の効率化を一緒に進めていければ嬉しいですね。今後もパートナーとして伴走していただけることを期待しています。
※組織や業務内容など、インタビュー内容は取材当時のものです。
2026年3月
企業プロフィール
| 企業名 | フリュー株式会社 |
|---|---|
| 創業 | 2007年4月1日 |
| 事業内容 | プリントシール機事業、キャラクター・マーチャンダイジング事業、ゲーム/アニメ事業 |


