「職場体験」受け入れのススメ(後編)です。後編では、実際に組んだプログラム内容についてご紹介しています。
目次
- プログラムの組み立てについて 1日目〜最終日まで
- 「職場体験」受け入れについての課題と取り組み
- 実際のプログラムと活動記録
- 最後に
1. プログラムの組み立てについて 1日目〜最終日まで
プログラムの組み立てについて - 1日目の準備
初日は、事前に「NDA」を交わしていたので、「契約と事業」をテーマにした準備をしました。
実際に印鑑の押してある契約書の原本は見たことが無いと思いますので、各部署に対しての「NDA」が有ることを前提に、各部署の説明資料と実際に取り交わした契約書の原本を、担当者の席に行って見られるよう準備をお願いをしました。
【各部署にお願いした資料に入れてほしい、話してほしいこと】
- この部署は会社のどの部分を担っているのか
- この部署が具体的に行っている仕事
- この部署の必要性
- この部署での働きがい、働く上で気をつけていること
※資料には機密は載せてはいない
【各部署にお願いした見せてほしいもの】
- 実際の仕事をしている姿が伝わるように
- 実際に仕事で使っているソフト、タスクの管理、どんなタスクがあるのか。(実際にソフトや画面を動かしながら)
- 実際に仕事で使っている書類やデータ
プログラムの組み立てについて - 2日目の準備
2日目は、歩いて通える範囲で「他の会社を訪問する」ことを企画し、その準備を行いました。
ハートビーツと業態が異なるIT業界の会社への訪問を体験してもらおう、ということで、今回「株式会社アジャスト 青木社長」 と、「IDCフロンティア株式会社 谷口様 」に協力をお願いし、他社訪問の体験を実現することができました。青木社長、谷口様、今回の企画をご了承いただきまして、ありがとうございました。
MSP事業を中心としたハートビーツとは違う、クリエイティブな事業がメインのアジャストさんと、高品質なクラウド・データセンタを提供しているIDCフロンティアさんから、事業の話や、事業に掛ける情熱を聞かせてもらうことを企画。同じIT業界の中にも、形態の異なった会社があることを意識してもらうことにしました。
プログラムの組み立てについて - 3日目の準備
「実際に業務を体験してもらう」これが、3日目のテーマでした。 いかにして具体的な業務を経験してもらうのか、その実現方法には悩みましたが、次のようにまとまりました。
広報業務の体験
この「職場体験」プログラムを担当してもらう渡邊さんが「広報」を担当していたので、「広報」として行っている仕事を体験する。電話研修
実際に社員向けに行っている「電話研修」を中学生向けにアレンジして、電話業務を体験してもらう。Linux の勉強
3日目の午後以降は、IT企業らしく「IT」に関するプログラムを実施する。
プログラム全体の50%で「仕事について」を学び、残り50%で「技術について」学べるような配分にしました。
「IT」を使った仕事は色々ありますが、基本から学んでもらえるよう準備します。Windowsは学校で使うでしょうし、Macも身近になってきています。しかし、僕らが使ってるLinuxは全く知らないのでは、ということで、ハートビーツらしく「Linux」について勉強してもらうことになりました。
プログラムの組み立てについて - 4日目、5日目の準備
4日目、5日目は、「Linuxを実際につかってみる」ことを企画。
IT技術の体験ということで、3日目の午後にインターネットの仕組みなどを勉強し、4日目、5日目は、実施に触ってみる事ができるよう、以下の内容で準備しました。
- サーバーにインターネット越しにログインしてみよう
- WordPressでホームページを作ってみよう
実際にはどこまでできるかは未知数でしたので、「ホームページを作る」については、「プログラミング」体験とのどちらかから選べるようにしておきました。
実際の彼らは、「ホームページを作る」と「プログラミングを体験する」という2つの選択肢のうち、「プログラミング」を選択しました。もう一つの選択肢として、「サーバ環境の構築」を用意しておきましたが、サーバ環境構築よりもプログラミングのほうが興味を引いたようです。いずれにしても、興味のある方を体験できるように準備ができて良かったです。
「職場体験」受け入れについての課題と取り組み
ハートビーツでは、「職場体験」を受け入れるのは、2度目の経験になります。
実は前回の受け入れの時は、こちらからの話に対して中学生の反応が薄く、話が伝わっているのか伝わっていないのかわからなくて苦労した記憶がありました。
また、聞いて終わりにしてしまうと、そこからの学べることが表層的な部分だけわかった気になってしまう事が多いことから、今回は前回の課題を踏まえて対応することにしていました。
事前に訪問してくださった先生からは、二人共素直で良い子達と聞いていましたが、この職場体験では、全体を通じて人の話を聞く時間がどうしても長くなってしまうところも悩みポイントでした。そこで今回は、体験予定の中学生が事前訪問をしてくれた際に、職場体験までの宿題を出してみることにしました。
【宿題】学校の授業等で人の話を聞いたら、必ず2つ質問を考えて、手を上げて質問する練習をしてきてください
彼らが真剣に話を聞いてくれていた姿が印象的でした。この時出していた「宿題」が、実際の「職場体験」の際に奏功しました。
実際のプログラム内容とその様子について、次の章でご紹介します。
3. 実際のプログラムと活動記録
1週間にわたる「職場体験」の様子をこちらにまとめました。
ハートビーツ「職場体験日誌 」No.00
ハートビーツ「職場体験日誌 」No.01
ハートビーツ「職場体験日誌 」No.02
ハートビーツ「職場体験日誌 」No.03
ハートビーツ「職場体験日誌 」No.04
ハートビーツ「職場体験日誌 」No.05
4. 最後に
「職場体験」受け入れを終えて
いろいろ心配事もありましたが、蓋を開けてみたら、職場体験に来た中学生の二人は、熱心にメモを取り、メモをみながら質問を考える癖をつけてきてくれていました。とても優秀な子達でした。
毎日のタイピングも、やればやるほどスコアが良くなっていきました。受け入れ目標に掲げたとおりに、成長を実感することができたのではないかと思います。
プログラム全体としては、詰め込みすぎたかなと思うところがないわけではないですが、二人共いい笑顔で毎朝出社してくれたので、本当に良かったなと思います。
僕は、「ITの経験をするのは年齢、学歴、共に関係なく、早ければ早いほど良い」ということを信念としています。もしIT業界に進もうと思う子供であれば、なおさらです。もちろん、違う道に進むにしても、ITの知識はどの業界に行くにしても持っておいて困ることはありません。
今回のハートビーツでの職場体験が二人にとって初めてのITの経験となり、今回感じたことが二人の将来に少しでも役に立つことがあれば本望です。そして、またいつか、今回の二人と、いつか同じ業界で一緒に仕事できることがあれば嬉しいなと、心から思っています。
中学生の「職場体験」の受け入れには、こうした未来を担う子どもたちと「IT業界」をつなげる地盤作りであると思っています。IT業界の皆さん、一緒にIT業界の未来のために「職場体験」の受け入れを行いませんか。
来年の職場体験受入企業に「IT企業」が増えていることを願ってます。
※職場体験の受け入れに興味を持たれた方がいらっしゃいまいたら、最寄り、もしくはご家族が通われている学校に問い合わせてみるのが良いかと思います。
※私も経験談で相談に乗れることもあるかと思いますので、ご興味有りましたら、ご遠慮なくFacebookなどでお声がけください。