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「全員を戦力にする人財育成術」という本で勉強してみた

   

こんにちは。事業基盤グループ 人材開発チームの佐野です。

今回は「全員を戦力にする人財育成術」という本を読んでみました。(参考文献では「人材」のことを「人財」と呼んでいるため、本記事でも「人財」で統一します)

著者の有本さんは、日本マクドナルドとユニクロで人財育成の仕組みを構築した後、現在はサービス業に特化した人財育成の研修会社を起業し、経営されています。
※ 今回の参考文献
- 全員を戦力にする人財育成術
- 有本 均 著
- 発行年月:2020年04月
- 頁数:208
- https://www.diamond.co.jp/book/9784478109823.html

※注意。本ブログでは参考文献を要約としてまとめたものではなく、本を読んだ上で我々にとって必要と感じた部分を引用する形としています。参考文献について興味を持たれた方はぜひ直接原著を読んでみてください。

本書を読んでみようと思ったきっかけ

弊社内にて全社員を対象とした人財育成を取り組むにあたって、正直どこから手を付けていいのかわからないという漠然とした悩みがありました。そんな時、たまたま本屋でこの本のタイトル中の「全員を戦力にする」という部分を見て、本書ではどういった切り口で全社員に対して人財育成を行っているのかが気になって手に取ってみました。

先に結論から書いてしまうと、教育と評価がセットとなるようにきちんと作り込むことで全員が成長するようになるとのことでした。著者は人財育成は教育が50%、評価が50%という考えを述べていました。また基準を決めて教えた後に、課題を出す等の要求までしないと人は動いてくれないとも書かれていました。概して上司は部下に対していろいろ期待しがちですが、言われてもないことはやってくれないのが当然ということでした。

グローイング・サイクルが重要

参考図書を読んでみると、著者の作り出した概念である「グローイング・サイクル」が重要ということが書いてありました。グローイング・サイクルとは、「基準を示す」「教える」「要求する」「評価する」の4つを回すことです。

(1)基準を示す
それぞれの業務でやっている内容とどうなってほしいかを書き出す

(2)教える
誰がどのように教えるかを考える

(3)要求する
教えた後に課題を出す

(4)評価する
一定期間後に課題のクリア状況を評価する

ここで挙げられた4つのうち、いくつかは実際にやっているとしても、全部できていたかというとできていなかった部分が確かにありそうです。

OJTと集合研修の使い分け

人財育成を行う際は、OJTと集合研修を適時使い分けることになります。

OJTは実際の業務を習得してもらうのに適しているのに対して、集合研修はコーチング、リーダーシップ、クレーム対応などのヒューマンスキルを習得してもらうのに特に適しているようです。

ところで、本書ではOJTの問題が2点挙げられています。

一点目は現場のマネージャーなどに丸投げになってしまっている会社が多い点です。本来はOJTをサポートする体制があると良いとのこと。例えば教育動画を作る支援を行う等です。

二点目は教える人によってOJTの教育効果が大きく左右されてしまう点です。そういったことが起きないように何かしらの仕組み化を行うことが必要とのことです。

マネージャー教育は難しい

マネージャー教育の難しさは本書でも触れられていました。本書ではマネージャー教育が難しい理由が2点挙げられています。

一点目は基準を示す項目が一般社員と比べて多岐にわたる点です。これについては、難しくても基準を作り込むしかないようです。また標準的なマネージャーになる期間に基準を設けて実践することを要求するというのも有効なようです。

二点目はマネージャーを育成するべきマネージャーの上長と対話する時間があまりとれないからとのこと。これについては、上長と接触する時間が短くても人財を育成できる仕組み化をする必要があるようです。

ところで、本書ではサービス業で優秀な店長に共通する要素として「人、数字、顧客満足、目標達成」にこだわっているということが書かれていました。これは弊社でも同様ですし、業種に関係なくどの会社でも同じかと思われます。

評価制度

冒頭で「教育と評価がセットとなるようにきちんと作り込むことで全員が成長するようになる」と書きました。それくらい教育と評価で整合性が取れていることが重要とのことです。

評価制度に関するポイントがいくつか書かれていましたが、読んでいて特に次の4点が気になりました。

・人財育成のための評価項目になっているか
・要求したことができているか確認するための評価になっているか
・会社がしてほしいことが評価項目になっているか
・評価項目が複雑で現場がついていけないということはないか

また、評価制度においては、評価者教育がとても重要であるが、評価者教育をしていない企業が大半なようであるということが触れられていました。

最後に

本書で書かれていたことは、言われてみればどれも当たり前のことばかりで、特に難しいことは何もなかったような気がします。しかしそれでもいざ取り組もうとするとこれまで何も考えてなかったことまで深く考えないといけないことになるのだと思います。言うは易く行うは難し、神は細部に宿る、なんて言葉が頭に浮かんできました。徹底的にやり切ることが重要なのだと改めて思いました。

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