こんにちは。藤崎です。
今年は会社の取り組みの1つとして、中学生の「職場体験」の受け入れを行わせて頂きました。
ハートビーツでは、4年前にも一度「職場体験」の受け入れを行ったことがあり、今回で2回目の「職場体験」受け入れでした。
今回この記事を書くきっかけになったのが、この「職場体験」の受け入れ側の偏りです。
「職場体験」とは、簡単に説明すると、文字通り「実際にある職業を体験して、その職業について理解したり、様々なことを体験する」というプログラムですが、
職場体験を実施している渋谷区のある中学校に聞いてみたところ、職場体験の受け入れをしてくれる「職場」の約38%が「保育園、幼稚園、介護施設、養護施設」という受け入れ状況となっていました。さて、どうしてそうなったかを聞いてみると、毎年様々な業種で体験できるように、新しい職場も探して交渉しているらしいのですが、中学生を5日間受け入れていただけるところとなると、協力して頂ける職種としては公的機関(保育園等)の割合が大きくなる、とのこと。1校で約90名の職場体験先を確保するのも大変な作業です。
状況は大変理解できるのですが、将来の就職比率からすると、明らかに偏っていて 「各業界はもっと若手育成にコミットしようよ!」という気持ちが、今回のこの「職場体験 受け入れのススメ」という記事を書く動機となりました。
向こう10年〜2,30年は「IT業界が日本の経済を引っ張っていく」と考えて会社経営をしている身としては、今回の職場体験受入企業 約40社中、IT企業はハートビーツ1社という現実に、「IT業界もっと頑張ろうよ!」と心底思った次第です。
そういうわけで、今回はIT業界向けに【「職場体験」受け入れのススメ】をしたいと思います。
目次
- 職場体験とは
- 会社としてやる意義
- プログラムの組み立てについて - 事前準備
1.「職場体験」とは
「職場体験」受け入れを進める前に、まず、「職場体験」について説明したいと思います。
「職場体験」とは、文部科学省が推進しているキャリア教育の一環で、中学生向けに行われている施策です。
全国の89.7%の公立中学校で実施されており、中学生は様々なところに派遣されて色んな体験をしているそうです。
学校によって実施時期が異なるようなので「要確認」ですが、渋谷区の学校では7月頃に職場体験の受け入れ事業者を探しているようです。(※追記:渋谷区内でも学校によって、さらに年度毎に時期は異なるとのことです)
さて、文科省の方針等については好みが分かれるところなので一旦置いておいて、企業として、少しでも今の中学生に成長の機会を提供したいと考えたとき、現状の仕組みの中で協力できる「職場体験」を受け入ることは、ベターな選択だと思います。
特にIT業界の仕事は、年齢も関係なく、資格や免許がなくてもできる仕事であり、ITについて勉強を始めようと思ったらいつでも始めることのできるくらいには、情報がインターネット上に揃っている時代であり、既に能動的にプログラミングをやりたい、アプリが作りたいと動き出している小学生・中学生もいます。
その一方、まだ自分が何になりたいのか将来について全く考えていない中学生が大半を占めています。(僕も中学時代は全く考えていない側でした。)
そんな中学生たちに、IT企業での職場体験を通じて、「将来の道を選択していく際の参考にしてもらえたらいいな」と思いながら、ハートビーツでは、今回の「職場体験」受け入れの申し出を行いました。
参考リンク:文部科学省 中学校職場体験ガイド
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/026.htm
2. 会社として「職場体験」を受け入れる意義
ハートビーツが受け入れの意思決定を行うにあたり、職場体験で中学生にとって良い体験をしてもらうことと同時に、以下の効果も期待しました。
【職場体験受け入れの社内での効果】
- 職場体験の受け入れを通じた僕ら(受け入れ側)の気付きや成長
- 体験プログラム等の来年以降も活用できるような成果物の作成
- 人材育成分野での社会貢献に対する意識向上
意義については会社それぞれだと思いますが、人材育成を大切にしているという会社には是非「職場体験」をオススメしたいと思います。その活動自体が、受け入れ側の成長にも繋がります。
ハートビーツでも、基本的なビジョンとして人材育成を大切にしており、「みんな仲良く」「プライドを持って」「変化を楽しむ」という企業理念を掲げています。
職場体験は大きな意味で、「今後の人材育成」とはいっても、5日間の受け入れは大変なものです。
時間的に余裕がないこともあり、忙しい中職場体験の受け入れを実施することで、社員の負荷が大きくならないよう、次のように注意を払いました。
【職場体験受け入れの際に注意したこと】
- 受け入れる余裕があるのか、申し出前に簡単なシミュレーションをして同意を取った
- 5日間を通じての担当を、来年入社予定の広報担当アルバイトの子にお願いすることで、社員の負荷を下げた
- ブログラムを決め、担当がアサインできない時間については、自分がフォローにまわった(フォローに回ってもらったところもありました)
3. プログラムの組み立てについて - 事前準備
以前一度受け入れした際の経験を踏まえ、今回のプログラムでは次のようなことを意識してプログラムの組み立てをしました。
【プログラムの組み立て時に意識したこと】
- 会議室に閉じ込めず、執務スペースにも自由に出入りできるようにし、"リアル"を体験してもらう
- ハートビーツ以外のIT業界全体についてもイメージできるようにする
- 何らかの成長を体感できるようにする
「執務スペースに自由に出入りできる」ことを実現するために、今回は先生を通じて実習生となる中学生二人と、その保護者の方に、事前に「機密保持契約書(NDA)」と「保護者向けの同意書」にサインしてもらいました。契約や同意書にサインを貰うことは、はじめは「無謀かも」と思われたアイディアでしたが、学校側と保護者の方の理解を得ることができたことで、最終的に体験してもらうプログラムが充実したものにすることができました。
「NDA」があるかないかで、体験してもらえるレベルが断然に違ってきますので、これらが実行できたことはとても良かったと思います。
また、今回目標にした「何らかの成長を体感できるようにする」ことを実現するために、体験プログラムの中に、毎日タイピングの練習をする時間を設けることにしました。
もし今後IT業界を選んだとしても、選ばなかったとしても、昨今ではパソコンを使うことが多い社会です。
タイピングを練習することは無駄にはなりませんし、また毎日タイピングを練習することで、彼らにとって目に見える成果として、成長を実感してもらうこともできるプログラムだったと思います。
こうして方針や目標を決めることで、体験してもらうプログラムの準備もスムーズにいきました。
後編では、準備したプログラムの内容についてお話したいと思います。