こんにちは。CTOの馬場です。
2015/11/28(土)に「MSPJマイグレーションコンペティション2015fall」が開催されました。
【開催告知】MSPJマイグレーションコンペティション2015 fall | 日本MSP協会
私は日本MSP協会コンペティションワーキンググループのメンバーとして運営側に参加していたので、その裏側をちょこっと紹介します。
日本MSP協会コンペティションワーキンググループは、 運用技術を競うコンペティションを開催し、次代を担う若手運用技術者同士の交流・競争を通して日本のMSP事業者における運用技術の向上を目指します。
という趣旨のもとに開催されました。実に業界団体らしい、若手の交流・競争が活性化することで未来を明るくしようという取り組みです。
何をしたの?
「マイグレーションコンペティション」の名のとおり、現行システムを新環境に移設してもらいました。
なお優勝賞金は当初20万円でしたが、諸般の事情により25万円になりました。 優勝25万円、準優勝5万円です。
会場・環境
会場はNHNテコラス株式会社さんのカフェテリア。超きれい。 机・椅子・無線LAN・電源・各チーム1枚ホワイトボードまでご用意いただきました。
参加費無料で昼食(お弁当)・コーヒー・お菓子・エナジードリンク・懇親会つき。
シナリオ
お題は以下のとおりです。
- お題: いま動いているふるーいシステムをバージョンアップしてね
- できれば利用者に影響なしでやりたい
- できれば冗長化したい
- できればさくさく動くようになると嬉しい
- できればプロビジョニングコードが欲しい
- できればサーバに関する資料があると嬉しい
- 実施した内容と結果については報告してくださいね
- 背景という名の発注者の弁
- もうすぐサポート切れるって言うし、セキュリティが心配だし、でもそんなにきちんと管理する手間もとれないし、わかるひともいないし、今のうちになんとかしておきたいんだよねー
- あんまり何回もいじりたくないから、できるだけ長く使えるようにしてほしいなぁ
今回の移設前環境はVPS(っぽいもの)を想定し、 低スペックのCentOS 5 32bitサーバ1台にWordPressが載っているものを用意しました。 WordPressはさらっとアップデートできないようにするために、バージョンは3.1.4でした。
仕込みの段階では手元の環境でVagrant + Ansibleを使って構築・データ投入しておきました。 本番用サーバはさくらのクラウド(大会運営用アカウント)を使っています。 まずCentOS 5 32bitを自分でインストールし(テンプレートになかった)、 そのディスクイメージを利用して全チーム分のインスタンスを起動しAnsibleでプロビジョニングしました。
saklient - さくらのクラウド クライアントライブラリ を使ってさくさくできたのでぜひみなさんもご活用ください。 sacloudコマンドはnodejsが必要だったりと機能の割に大仰だし言語に組み込んで使うのが手間なので、saklientを使うのがオススメです。
移設後環境は、さくらのクラウドを1チーム1アカウント用意しました。
どちらもさくらインターネットさんから気前よくご提供いただき、とても楽に運営できました。
当日の運営チーム
今回は運営-参加者のコミュニケーションにSlackを使いました。
事前に運営側で今回の大会のTeamを作成し、参加者にも事前にJoinしてもらいました。 slackin を使って自己申告でJoinできるようにしました。
当日はチームごとに1つPrivate Channelを作成し、そこに運営陣+チームメンバーを招待しました。 このPrivate Channelが運営(想定顧客)と参加者のコミュニケーションの場になっています。
会場のネットワーク環境もクラウドも安定していたので、 運営(tech)の仕事は開会式・チーム分け実施後はSlackのやりとりくらいでした。
このときtech以外の運営メンバーはお弁当やおやつ・コーヒー・エナジードリンク・懇親会の準備などいろいろと動いていただいています。
採点基準と採点方式
今回の採点では、要件・要望をMUST/SHOULDに分け、 MUST要件の達成が支配的になる点数配分にしました。
MUST要件が全て満たされている場合はSHOULD要件の達成状況で差別化できるという流れです。
業務でよくある価値基準に基づいた採点方式にしたつもりですが、 価値基準は人それぞれだし交渉によって変化することがあるのでこの基準が唯一絶対ということではないです。 業務では、このあたりの「自分たちの得意分野に持ち込んで高く評価してもらう」あたりは上司や営業さんの腕の見せ所かなと思います。
おわりに
おかげさまで日本MSP協会として初の試みである「マイグレーションコンペティション」をなんとか開催することができました。
運営にご協力いただいたみなさま、環境をご提供いただいたさくらインターネットさま、会場をご提供いただいたNHNテコラスさま、本当にありがとうございました。
参加者のみなさまもお疲れさまでした。ご参加いただきありがとうございました。
優勝チーム、おめでとうございます。準優勝チーム・惜敗したチーム、惜しかったですね。次回雪辱を果たしてください。 おそらく参加者全員がそれぞれに課題感を持ったと思います。 何も出来なかったわー...というかた、次回リベンジしましょう。 参加しなかったかた、ぜひ次回は参加してください。
次回開催時期は未定ですが継続する気持ちでいますので、次回を乞うご期待。