こんにちは。斎藤です。
以前、「Rundeck - cronから移行しやすいジョブスケジューラを使ってみよう」というエントリを起こしました。ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。その際に「通知はチャットに流して欲しいよな」とか「チャット通知ができるのが今の主流だよね」と思った方がいらっしゃるはずです。
そこで、今日はRundeckのプラグインと、その1つであるHipChatプラグインをご紹介します。
※CentOSは6.6、Rundeckは2.6.0のSnapshot(Vagrant VM), Rundeck HipChat Pluginは1.5.0とします。
※最後にお知らせがあります
いろいろあるあるプラグイン
Rundeckはそれそのもの自体はジョブスケジューラとして完成度が高い製品であると、私は考えています。しかし、本体だけだと物足りなかったり、作り込みが必要な部分が少なからずあります。しかし、再利用する可能性が高いもの...例えばチャット通知...は、共通化したいですよね。
そこで、Rundeckの公式サイトを見ますと、Pluginsのページによく使いそうなプラグインが取り上げられています。この中に、当社も利用しているチャット用アプリケーション"HipChat"用のプラグインがあるではないですか!
また、Rundeckの公式サイトには取り上げられていませんが、Slackのプラグインもあります。探せばほかにもあることでしょう。
Rundeck HipChat プラグインの紹介
本題のRundeck HipChat プラグインをご紹介します。
HipChatプラグインには、次の特徴があります。
- ジョブの開始・正常終了・異常終了を通知することができます。
- HipChat Serverを独自に立てているユーザでも使えるようエンドポイントを指定することができる。
- プロジェクト毎に違う設定ができる(マルチプラットフォーム的に使える)。
プラグインを追加した後、後述する初期設定を行い、その後はジョブ毎に通知設定を行えば利用可能です。
ジョブの通知を有効に設定するのは非常に簡単です。初期設定だけ、次の節で説明します。
Rundeck HipChat プラグインを使ってみよう
実際にRundeck HipChat プラグインを使ってみましょう。今回は、Rundeckのインストールの手間を省くため、公式サイトで取り上げられているVagrantfileを利用してみます。
あらかじめ、手元にgit, Vagrantが動作可能な環境を整えてください。なお、gitとVagrant自体の使い方の説明は省略します。また、URIはVagrant VMを利用したときのホスト名となっています。環境により、読み替えてください。
では、コマンドベースで手順を確認して行きます。まずはRundeckサーバを立ち上げます。
cd (作業ディレクトリ)
git clone git@github.com:rundeck/anvils-demo.git
cd anvils-demo
vagrant up # 構築が終わるまで数十分待つ
以上が終了したら http://192.168.50.2:4440/
にアクセスします。ユーザ名とパスワードはデフォルト(admin/admin)です。ログインできれば、Rundeckサーバが正常に稼働していることになります。なお、この段階でHipChatを含めた各種プラグインもインストールされますが、HipChatプラグインはバージョンが古く次の手順で入れ替えることとなります。注意してください。
続いて、HipChatプラグインをインストール(更新)します。
vagrant ssh # この先はVM内での作業
sudo su -
cd /var/lib/rundeck/libext
mv rundeck-hipchat-plugin-1.0.0.jar /tmp # 古いHipChatプラグインをバックアップ Vagrantで構築していない場合は不要な手順
wget http://search.maven.org/remotecontent?filepath=com/hbakkum/rundeck/plugins/rundeck-hipchat-plugin/1.5.0/rundeck-hipchat-plugin-1.5.0.jar # 最新版がリリースされている場合はそのアドレスに書き換える
service rundeckd restart # プラグインを読み込むためには再起動が必要
再起動には、数十秒〜1分程度時間がかかります。その後、次のページを開いてプラグインがインストールできたことを確認してください。
http://192.168.50.2:4440/menu/plugins?project=anvils
HipChatの通知対象のルーム(チャット部屋)情報を取得します。Rundeckサーバ上での作業を中断し、HipChatサーバ上での作業に移ります。
まず、HipChatのWeb版のページにて、"Rooms > (通知を流したいルーム)"を開きます。ここで"API ID"の番号を控えます。続いて、左側の"Tokens"リンクをクリックします。"Tokens"のリンクがでない場合は、"Owner"に表示されている人(権限)にHipChatの操作を代行してもらってください。
トークン作成ページに遷移します。Labelには"Rundeck"などと、チャットのタイムライン上に流れるユーザ名として適切なものを入力し、"Create"をクリックします。
そうすると、以下の通りトークンが生成されます。こちらを控えます。
複数ルームに流す場合は、ルーム毎に実施してください。
以上で、HipChatサーバ上での作業は終了し、Rundeckサーバ上での作業に戻ります。
初期設定の最後は、プロジェクトの設定ファイルの編集です。以下のページを開き、設定の編集画面を開きます。
http://192.168.50.2:4440/resources/editProjectConfig?project=anvils
(ファイルを直接編集する場合は /var/rundeck/projects/anvils/etc/project.properties
をエディタで開く)
その中に、次の行を追加します。
project.plugin.Notification.HipChatNotification.apiAuthToken=(ルームのAPI ID):(ルームのトークン), (ルームのAPI ID):(ルームのトークン), (ルームのAPI ID):(ルームのトークン)...
project.plugin.Notification.HipChatNotification.apiVersion=v2
project.plugin.Notification.HipChatNotification.hipchatServerBaseUrl=(HipChat Serverのアドレス)
project.plugin.Notification.HipChatNotification.apiAuthToken
は、通知を流すルームの情報を記述します。ジョブ毎に通知を流すルームを変える場合でも、ここではRundeckが利用する全てのルームを列挙します。
project.plugin.Notification.HipChatNotification.apiVersion
は v2
と記載してください。
project.plugin.Notification.HipChatNotification.hipchatServerBaseUrl
は、通常は設定自体を施す必要はありません。HipChat Serverを独自に立てて利用している方 のみ 、HipChatサーバのエンドポイントを記述してください。
各項目の詳細は、プラグインをインストールしたときに確認したページに記載されています。あわせて確認してみてください。
以上で初期設定は終了です。
通知のテストの際には、コマンドを実行しても影響がないジョブを改めて作成し、実行します。ジョブ作成時の通知先には以下の通り、HipChat通知の有効化+通知したいルームのAPI IDの設定を忘れずに行ってください。
実行後、HipChatの対象のルームに実行結果が流れてくれば成功です。お疲れさまでした!
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで、Rundeckにはプラグインシステムがあり、その中にあるHipChatプラグインの使い方を紹介しました。説明自体は長めなのですが、実際やって頂くとあっさり終わる程度の難易度です。
実際の通知は、異常終了時のみで充分ではないかと思います。稼働初期やよほど重要なものは別として、ジョブのスタートと正常終了が常に流れ続けますと、通知に慣れきってしまったり、流量が多くなって無視してしまいかねないからです。
それでは皆様、ごきげんよう。
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