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入社して3ヶ月 - インフラエンジニアの道は始まったばかり

   

斎藤です。こんにちは。

2012年6月中旬にハートビーツに来て、3ヶ月半が経ちました。最近、雇用契約の本契約書にサインをして、「よし、がんばろう!」と気持ちを新たにしたところです。

これまで、プログラマからインフラエンジニアに転向して様々な思いが去来していました。今日は、そのお話を書いてみたいと思います。

これまでの私について

私は、これまでプログラマをしながらインフラを守る仕事を同時にこなしていました。というのも、以前勤めていた会社では、自社プロダクトとして、Webサービスやソーシャルゲームの開発を行っていたからです。

従って、開発が終わることが仕事の終わりではありません。いい事も、悪い事も、全て因果応報であることを、常に、そして直に体感しながら仕事に携わっていました。運用に入り、しっかり作り込んで安定している部分がある一方、どこかで詰めが甘くトラブルを起こしてしまう部分もあります。

そのため、経験を積むにつれ、開発時から先を見通す緊張感をもちながら、仕事をする事を心がけるようになりました。それも、特に誰かに言われたという訳ではなく、自然と考えるようになりました。

「開発と運用、上下があると思いますか?」

これは、夕飯を食べている際、CTOの馬場が私に問いかけてきた言葉です。

僕は、お客様にプロダクトを提供する人間として、そして技術者としてどちらが上か下はないと考えています。しかし、組織上の立場で言うと、運用より開発の方が上に見られている、というのが私の正直な気持ちでした。

なぜか。それは、開発は加点評価、運用は減点評価であったからです。

開発は、プロダクトを生み出したり、アップデートする事で、組織に貢献していることを明示できます。自分自身がどのような仕事に携わっている事を表現しやすく、かつそれが人に評価されやかったから、と言い換える事も出来ます。新しいプロダクト・機能が追加できた度に、企画担当者とともに喜んでいました。

一方、運用は日々安定してサービスを提供する事を求められます。しかし、どのような努力をしても、障害は起きます。しかし、傍から見れば、自責だろうが偶発的であろうが、組織内では障害は障害として見なされます。そんな中、安定している状態が当たり前、障害が起きれば原因はどうであれサービスが止まったのだからいけないことだ、こう見られることを引き目に感じていました。ある日、夜の2時に携帯へnagiosの障害通知メールが届いて、眠い目をこすりながら障害対応しているとき、本当に空しい気持ちになりました。

そうなると、どうなるか。いつしか、運用よりも開発のほうが「楽」だと思い始めていたのです。

もう一度 お客様に顔を向ける

ITに限らず、どのようなサービスであれ、その価値を評価するのはお客様です。

しかし、ここ数年、自分自身がお客様ではなく組織内に目を向け始めている事に気づきました。言うなれば、組織内における自己保身です。そういった気持ちで、プロダクトの開発・運用を進めていると、いつしかそれがお客様に伝わる事になります。よい事ではありません。

そこで、お客様に末永く安心してプロダクトを届ける仕事であることを理解し直そう。その上で、仕事の範囲を意識的に絞って集中しよう。そして、私はインフラが好きだ。そう考えて、インフラエンジニアに転向しました。

3ヶ月目の感想

当社では、MSPサービスを「安心と感動をお届けする」という志を持って提供しています。そんな組織風土の中で、お客様が提供するサービスのインフラをお預かりして、日々の構築・運用に務めています。

まず、最近、驚いた事があります。ある案件で一仕事を終えた際、お客様から感謝のメールを頂戴した事です。メールを読みながら、「運用は減点法」と考えていた自分の思慮の浅さを反省しました。それと同時に、運用を通じてサービスを永続的に提供する「支え」となる事の大切さを、改めて理解しました。

また、当社はMSP専業ということもあり、ほぼ全員がインフラエンジニアです。全員が同じ立ち位置で、お客様のインフラを支えるためにどうすればよいのか、とても考えやすい環境です。少なくとも、開発と運用の狭間に立ち、悩み苦しむ事から解放されました。

最後に、インフラエンジニアは「経験量」が重要である事を知りました。先に申し上げましたが、確かに開発と運用を両方を経験しているものの、それはあくまで自分自身が担当したものだけにすぎません。ご存知の通り、世の中には様々なWebサービスがあり、多くのミドルウェアが存在し、そして障害の出方も千差万別です。従って、お預かりしているインフラもお客様毎にそれぞれ違います。その状況下で、特に障害時に如何にして素早く現状回復させるのか...日々の経験の蓄積と鍛錬が無ければなりません。

これからについて

プログラマからインフラエンジニアに転向とはいっても、同種の技術を使っているからすぐ馴染めるだろうと考えていました。しかし、それは浅はかであったことが、よくわかりました。良く言っても、リテラシがある程度でしかない、と考えていただいてよいかと思います。

私のインフラエンジニアとしてのキャリアは、まだ始まったばかりと言えます。開発に携わったこれまでとは違い、じっくりと時間を使い、仲間の支えを得つつ、経験を積んで行こうと思っています。

「安心と感動をお届けする」一員になれるよう、精進あるのみです。 

それでは皆様、ごきげんよう。

株式会社ハートビーツの技術情報やイベント情報などをお届けする公式ブログです。



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